暇になると、自分の場合ゲーセンかカラオケか映画館に行く。
全部ひとりで。
悲しいとか寂しいとかみじめとか、そんな感情なんてものは10代の時点で腐って死んでいる。
もともと一人でいることが好きな性格であるが故、幼少期は遊びに誘われれば9割方断るクソ生意気なガキだった。
家でゲームをするかテレビを見ている方が楽しいから。
友だちとサッカーや野球、缶蹴りなど外での遊びに参加することもあったが、そんなものはほぼ接待のようなもので、人数合わせ感がみしみしと伝わってくるポジションや役割を、帰りの時間が来るまでこなしていた。
あまりにも参加率が悪かったため次第に誰からも誘われなくなり、そんな状態は中学・高校に入って、周りの環境が変わっても続いた。
中高と、自分は数人の決してイケているとは言い難い友達とばかりつるみ、それ以外の人との交流をほとんどせず、男女6人ぐらいのグループがこの間海に行って花火をしてきた。なんていう話をしているのを盗み聞きし、「うわあ青春してんなぁ...おい」と思いながらそれを遠巻きに見ていた。
しかし当時の自分は「青春」というものへの憧れが異常に強かった。心の中でそいつらをバカにすると同時に劣等感を抱くという矛盾した気持ちを抱えながらモヤモヤした高校生活を送っていたのだ。
自分の友達はノリが良い方ではなく、自分のしたいこと以外は何を誘っても乗ってこないタイプだった。
誘って乗ってこないのめっちゃムカつくな。。。
青春っぽいことしたいと思わねぇのかコイツら!!!
小学生の時の俺かよ!!
というか、俺こんな感じだったんだな!!!うぜぇな!!!!!!!
と、当時の自分にイライラしながらも、青春への憧れは加速する。
そんな気持ちを抱えた当時の自分が何をしていたかというと、ひたすら青春をテーマにした映画やドラマを観ていた。
「自分は無理なら疑似体験」作戦に出たのだ。
『木更津キャッツアイ』や『StandUp!』が好きでよく観ていた。
この2つの作品の共通点として、どちらも嵐が出ている。
(木更津キャッツアイ⇒櫻井 StandUp!⇒二宮)
当時、嵐が出ているドラマは青春ものが多く、『嵐=青春してる人』と自分の中でカテゴライズされていた。
中学2年から高校1年ぐらいまでは、そういうキラキラした青春に憧れを持っていたが、
高2の時、映画の『ボーイズ・オン・ザ・ラン』を初めて観て、銀杏BOYZと峯田和伸に異常な興味を持ち、パンクかっけー。泥臭い青春かっけー時代が到来する。
その頃には完全に『峯田和伸=青春』になっていた。
ノイズが混じったようなジリジリと鳴る音を爆音で耳へと流しては、それに合わせて頭を振る、ヤバいモンスターの誕生である。
曲を聴きながら、買ったけど弾けないギターを持って、暴れる。
ヤバいモンスターの誕生である。
(でもそれって、なんか青春っぽくないか...)
今ではすっかりそんなこともしなくなり、しているといえばインストの曲をかけて45点のフリースタイルラップをかましているぐらいだ。
ずいぶん暇だな。